カルティエについて①
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ヴァンクリーフ&アーペル(Van Cleef & Arpels) ...
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ハリーウィンストン(HARRYWINSTON)
この5つのブランドを指します。
前回はティファニーを紹介しました。その歴史や長年愛される数々の商品について書いてきました。
カルティエも非常に歴史あるブランドです。
今回もおおまかに3つに分けて①歴史②ラインナップと中古相場③真贋ポイント説明していきます。
- カルティエとは
- アールヌーヴォーへの反抗
- 左右対称のデザインが好きだったカルティエ
- 世界初!腕時計製造
- ジュエリーでプラチナの利用、宝石のバゲットカットはカルティエから
- カルティエパンテール誕生
- 有名なラブリングの由来は「独占」、「束縛」
カルティエとは
Cartier(カルティエ)はフランスのジュエリーブランド。
時計、革製品、ライター、筆記用具なども扱っており、
リシュモングループの傘下にあります。
「Jeweller of kings , king of jewellers 王の宝石商、宝石商の王」
(英国エドワード7世の言葉)と言われる名門ブランドで、
イギリス王室を皮切りにスペイン、ロシア、ギリシャ、モナコ、ベルギー、インドなど、次々と王室との関係を深め、王室御用達は16ヶ国にのぼるそうです。
1847年、宝飾師であるルイ=フランソワ・カルティエが28歳の若さで独立したときから、カルティエの歴史が始まりました。ヌーヴ・デ・プティ・シャン通り5番地に、個人顧客を対象としたジュエリーブティックを構えます。ハリー ウィンストン、ティファニー、ブルガリ、ヴァン クリーフ&アーペルと並んで「世界5大ジュエラー」と呼ばれます。
アールヌーヴォーへの反抗
当時、ヨーロッパで流行していたのは、
曲線を主体とするアールヌーヴォー・スタイルでした。
アールヌーヴォー・スタイルとは、「新しい芸術」を意味します。
【アールヌーヴォー・スタイルの特徴】
・花や植物などの有機的なモチーフ
・自由曲線の組み合わせによる装飾
・鉄やガラスといった当時の新素材を利用
しかし、ルイ・カルティエはこの流行が気に入らず、フランスの古美術を収集し研究を開始します。
左右対称のデザインが好きだったカルティエ
さらにイスラムや東洋の文様までその研究対象とし、
明確なラインと対称的な構成を持つガーランド・スタイルを確立しました。
【ガーランド・スタイルの特徴】
・貴族、大富豪の正装用ジュエリー
・左右対照的なデザイン
・プラチナ、ダイヤモンド、真珠を素材として利用
・レースの様な透かし柄で織りなす花網模様(ガーランド「園芸用語」)の優雅で繊細なデザイン
それはやがて1920年代にアールデコ・スタイルへと発展します。
以前のアールヌーヴォー・スタイルが曲線を主とするのに対し、アールデコは真逆です。
【アールデコ・スタイルの特徴】
・現代都市生活に適した実用的なもの
・単純・直線的なデザイン
・幾何学的なラインを主軸とする極めて近代的な宝飾品
アールデコ・スタイルはそれからカルティエ・スタイルと呼ばれ、世界的な流行を作っていったのです。
世界初!腕時計製造
こうして宝飾工房として出発したカルティエですが、
ルイ=フランソワ・カルティエは当初から時計の製造に強い関心を抱いていました。
親交のあった「飛行機の父」と呼ばれるアルベルト・サントス・デュモンから、
「飛行中でも操縦桿から手を離さずに使える時計が欲しい」
と相談され、当時懐中時計が主流であった中、
世界で初めてレザーストラップ腕時計を製造しました。
その時計が依頼主の名を取り、現在のサントスウォッチとなりました。
カルティエの時計が他の宝石商の製品と異なっていると評価された点は、
デザインが極めてシンプルでピュアで、宝石で飾り立てなくても時計自体のフォルムが魅力的なこと、
これこそが今もカルティエの腕時計が人気の理由のようです。
腕時計製造が大成功を収め、カルティエは息子のアルフレッド・カルティエを共同経営者に据え、
1859年 、三人の息子にそれぞれパリ、ロンドン、ニューヨークの三大都市のショップを任せることになります。
ジュエリーでプラチナの利用、宝石のバゲットカットはカルティエから
1900年、銀の代わりにプラチナをセッティングに使用したのは
カルティエが初めてでした。
1912年、最初のバゲット(BAGUETTE)カットのダイヤモンドを創作しました。
バケットとはフランス語で「棒」の意味で、ダイヤで用いられる宝石を長方形にカットした形の呼び方です。
ハリウッド女優からモナコ公妃となったグレース ケリーが、
レーニエ大公から贈られたエンゲージメントリングもバケットカットのカルティエのものでした。
【バゲットカットとは】
シャープな印象でスッキリとしたカット
イタリア語の「bacchetta(棒・杖)」から名前を取ったバゲットカットは、
スマートな長方形が印象的。
カット面はおおよそ20面で、縦のラインが際立つデザインです。
宝石の原石のなかには、はじめから長方形の結晶を持つものも少なくありません。
このような宝石に施すカット方法としても、バゲットカットは適している言えるでしょう。
類を見ない特徴的な形状は、シャープで知的な印象を演出してくれるはずです。
カルティエパンテール誕生
交流のあった女性デザイナー、ジャンヌ・トゥーサンと一緒に、当時では珍しいアフリカ・サファリへ旅行をします。
ジャンヌ・トゥーサンは帰国後、”自然回帰”をテーマに「パンテール」をデザインします。
この女性ディレクターは当時は珍しかった毛皮を好んで着ていたため、あだ名のパンテール(パンサー)だったことによりその名がつけられました。
パンテール(パンサー)をモチーフにしたこのシリーズは一世を風靡します。
有名なラブリングの由来は「独占」、「束縛」
1969年、カルティエのデザイナーが、古代の戦士が自分の妻に浮気ができないよう、“貞操帯(ていそうたい)”というものを身につけさせたという昔の伝説からインスピレーションを受け、カルティエラブブレスを作りました。
現在でも愛されているラブブレス。
カルティエのラブブレスは、ネジを留めるデザインに特徴があります。
ネジで留めるデザインをしていることからカップルを強く繋げるという意味合いをこめて、カルティエのラブブレスをプレゼントする方もいるようです。
カルティエのラブブレスを購入すると、ラブブレス専用のマイナスドライバーが付いてきます。
このドライバーを使わないと、カルティエのラブブレスは外すことができないのだとか。
そのラブブレスと同じデザインのカルティエラブリングが登場。
ブライダルリングとしても人気のデザインで、カルティエの代表的なリングです。
実は相手を束縛していたい、自分だけのものにしていたい、
という「独占欲」や「嫉妬心」が由来となっているのです。
続きます。