鑑定士が考える、質屋とメルカリの違いとは?
今は、不用品は「捨てるのではなく、売るモノ」というのが常識となりました。
それに伴い、様々な売る方法があります。
今や一番代表的なのは「メルカリ」ではないでしょうか?
メルカリに対して、500年以上昔からモノを売るお店として「質屋」があります。
今回は質屋で鑑定士をしている僕が考えた
「質屋とメルカリの違いとは何か?」
「質屋とメルカリどっちがいいの?」
これら2点についてお話ししていきます。
フリマアプリの浸透と質屋の現状
メルカリ、ラクマ…
完全に生活に浸透したといえるフリマアプリ。
最大の特徴は、お客様同士で売買の取引ができる(CtoC)というポイントです。
これまでは、モノを売るにはお店に行く。要は企業とお客様の取引という方法しかありませんでした。(BtoC)
しかし、メルカリをはじめとしたフリマアプリがその壁をなくしました。
これによって、今までモノを売ったことのない人でも、お店に行かずとも
気軽にモノを売れるようになりました。
初期は様々なトラブルがありましたが、アップデートしたことにより
徹底的に手軽さを追求したインターフェイス、サービスで圧倒的に利用数を増やしました。
特に主婦や若い人は
「いらないものはメルカリで売る」
「とりあえずメルカリで売っていないか探す」
これらが常識となっています。
フリマアプリの登場を受けて、質屋は利用者が減ってしまい、
「フリマアプリにはない新たな価値」を提示しなければならない状況となっています。
質屋の客層は、主に昔から使用している高齢者の方が多いです。
また高級ブランド品や宝飾品、骨董品や美術品に関しては、
まだまだフリマアプリではリスクが伴うため
プロの鑑定士のいる質屋に持ってきていただいています。
メルカリ(フリマアプリ)のメリット・デメリット
【メリット】
・日用品から高級品まで、なんでも出品できる
・中古市場の相場より高く売れる
・家にいながら売れる
・出品が簡単
・隙間時間を有効活用できる
これは使ってみて感じた感想ですが、想像以上に簡単に出品できたことに驚きました。
本、ホビー、ファッション、ブランド品、工作のパーツ、家電、自転車等なんでも売っています。
また、鑑定士から見て、こんなに高い値段で売れるのか?!と驚くものもありました。
査定では0円のものも1000円とか2000円で取引されておりました。
捨てるくらいなら、ちょっとした隙間時間でメルカリに出して、
少しでもお金にした方が得だなと個人的には思いました。
「いつ自分が出品したモノが売れるかな?」というワクワク感もあります。
【デメリット】
・すぐには売れない
・個人間でトラブルが起きやすい
・値下げがある
・売れるにはコツがある(写真の撮り方、文章の書き方)
・発送する手間がある
・相場が適正でない場合がある
最大のデメリットは、すぐに売れないので、すぐに換金できないことです。
メリットでもある素人相場は逆にデメリットになる場合もあります。
また、個人間の取引なので、商品が送られてこない、不当な値下げ要求などトラブルもあります。
どんなものでも出品できますが、売る為にはコツやノウハウが必要です。
そのため、多くのノウハウ本やネット記事が出ています。
人によっては、この個人間取引のトラブル、発送の手間があるため、辞めてしまう人もるようです。
質屋のメリット・デメリット
【メリット】
・プロの鑑定士が査定してくれる
・すぐに換金できる
・売ったものを買い戻せる
・適正な相場で買い取ってもらえる
・高級ブランド、時計、貴金属、骨董品といった専門性の高いものが売れる
・出品や発送など自分で売る場合と比べて格段に手間がかからない
・店頭買取、出張買取、宅配買取など自分の状況に合わせて買取方法を選べる
何と言っても査定のプロが見てくれる安心感があります。フリマアプリでは売りにくい、高額品をしっかり売るには専門家の知識は必要不可決です。
また、買取が成立したら、簡単な手続きですぐに現金化できるのも大きなメリットです。面倒な値下げ交渉対応や発送の手間が一切ありません。
質屋の大きな特徴として「質預かり」 があります。
モノを適正な金額でいったん預け、あとから買い戻せることができますので、手元に戻すことができます。大切なものだけど、お金が必要な際には、昔からあるとても便利なサービスです。
ご自身の状況や商材によっては宅配での買取や出張買い取りなどお店に行かなくとも売る方法はあります。(モノ、お店によって変わってきます)
【デメリット】
・モノによっては、フリマアプリで売るより安くなる場合がある
・お店選びで迷う
・お店によって、査定額が違う
・行くのがめんどくさい、入りづらい
モノによっては、フリマアプリよりも安い値段が付く場合、買い取ってもらえないというケースがあります。
お店によって、査定金額、スタッフによる対応も変わってくるため、どこのお店に行けばいいか判断が難しいという点もあります。
また、質屋には昔から「暗い、怖い、行くのが恥ずかしい」といったネガティブなイメージがあります。モノをもって、お店に行く。という行為が「めんどくさい」という側面もあります。
お客様の話を伺うと、やはり初めては勇気が必要とのことです。
質屋に勤める鑑定士としましては、来ていただくお客様には感謝の気持ちでいっぱいです。
メルカリを使うのにおススメなのはこんな商品
・衣類
・日用品
・本
・ゲーム
・電子機器
など
衣類や日用品、本など身の周りであまり使っていない、まだ使えて捨てるのはもったいないというものはメルカリをはじめとするフリマアプリを使うのがおすすめです。
これらの品物は質屋ではあまり買取金額が行かない場合が多いです。
また、思ったより高い値段でも欲しい人にとっては適正な金額と判断してもらえ、出品してみたら売れるなんてことも多いようです。
質屋を使うのにおススメなのはこんな商品
・ブランド品
・貴金属
・高級時計
・骨董品
・美術品
高額で真贋の見極めが必要なものは、プロにお任せするのが一番おススメです。
個人間の取引ですと、どうしても相場が適正でなかったり、交渉トラブルが起きがちです。
高額品は手放すにも決断が必要かと思います。鑑定士からしっかり値段の理由を聞いて、ご納得してから売却することをお勧めします。
また、すぐに現金化したい場合もおすすめです。
まとめ
今回の記事の結論として、
質屋で値段がつかないものは、フリマアプリ
高額品、すぐに現金化したい場合は質屋
モノや状況によって使い分けるのが一番ベストではないでしょうか?
おすすめは、まずは質屋さんに売れるか聞いてみて、値段があまりつかないようでしたら、フリマアプリに出品して売れるのを気長に待つ事が良いのではないか?と個人的には思いました。
今回の記事がお役に立てば幸いです。