エスミンの鑑定辞典

半人前鑑定士の勉強メモ

新型コロナを受けてのリユース業界の今後の予測②

新型コロナの影響で前回は金相場がどうなるのか?まで書きました。

 

今回は、リユース業界のデジタルシフトと販売チャネルの多角化について書いていきたいと思います。

 

 

リユース業界のデジタルシフト

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リユース業界はコロナの影響を受ける前からすでにデジタルシフトの波来ていました。

それは、「買取・仕入れ品のネット販売」と「オークション・市場のオンライン化」と「査定のオンライン化」の3つです。

コロナの影響で、「非対面・非接触」が重要なキーワードとなり、3密「密閉・密集・密接」な環境は避けないといけない今、更に急速なデジタルシフトが求められており、

今後、更に加速することは確実です。

 

買取・仕入れ品のネット販売

リユース業界(質屋・買取店)はお客様から仕入れたものをオークションや自社販売網で売却した利益で稼ぐビジネスモデルです。

これまでは実店舗での販売が中心だった店舗も、店舗エリア外のユーザーに売れるネット販売に力を入れなくてはならなくなりました。

 

それは、コロナ前は「店舗に来ることがめんどくさい」だったのが「店舗にいけない」に代わってしまい、ネットで販売する方法がないともうほとんど売却できないからです。

 

すでにネットに力を入れている会社は大きく成長しています。

しかし、フリマアプリの普及により消費者は店舗ではなく、お客様からお客様が商品を買うことができるようになり、質屋や買取店は「フリマアプリでは得られない更なる価値」をお客様に提示する必要があります。

 

また、ネットで海外に売却することも容易にできるようになったため、海外に新たな販売ルートを築くようになりました。

世界的にも経済的に今後は中古市場は間違いなく伸びていきますので、海外への販売ルートがないことには国内市場だけでの成長は難しいと思われます。

 

オークション・市場のオンライン化

オークションや市場は従来はバイヤーが一堂に集まり、手競りで行われていました。

しかし、開催日が限られており、会場までの移動時間もかかり、仕入れ・売却機会が限られるリアルでのオークションに不便さを感じたリユース業界はネットオークションにシフトしていました。

コロナの影響により、「非対面・非接触」が重要なキーワードとなり、3密「密閉・密集・密接」な環境は避けないといけない今、リアルでのオークションは実質開催が不可能に近くなり、選択肢の一つだったネットオークションが主流にならざるを得ないのが現状です。

 

業界大手はこぞってネットオークションを開催するようになりました。

ネットオークションはリアルより多くの回数を実施することができ、距離が関係なくなるため多数のバイヤーをオンライン上に集めることができます。

また、売り手もネットオークションに売却ということが主流になってきます。

このように中古市場でバイヤー・商品はネット上に集まっていくのです。

 

ネットオークションも更に加速していくのは間違いないと思われます。

 

査定のオンライン化

これまで査定は真贋や状態チェック、相場感など多くのスキルが求められる為、

鑑定士の仕事とされてきました。

しかし、AIの進歩・ビッグデータの蓄積によりAIでの査定が可能となりました。

これにより、店舗に行かずともAIが査定する時代が来ております。

さまざまな査定アプリがリリースされています。

 

写真を撮るだけで自動で値段がわかる「CASH」

複数の店舗に同時に査定依頼ができる「ウリドキ」

 

など消費者ニーズに合わせたアプリが大きく注目されています。

 

また、査定を行う場所が店舗が主流だったのが、コロナの影響でオンライン上にならざるを得ません。

宅配買取やLINEでの査定、更なるサービスの普及が、査定のオンライン化を加速させるでしょう。

 

 

販売チャネルの多角化

もう一つが重要なのが「販売チャネルの多角化」です。

今回複数の販売チャネルを持つことで危機時のリスクを回避できることを痛感した企業・店舗は多いのではないでしょうか?

 

 

新型コロナの回復が、国内より海外の方が早ければ、越境ECを含めた海外販売もより加速するのは間違いないと思われます。

 

店舗×オンラインショップ

 

このかけ合わせが必須の時代がやってきました。

オンラインショップだけではなく、実店舗があることにより消費者は信頼感と安心感を持って利用することができます。

ですがこれまで通りではなく店舗に来ていただいたお客様には、店舗でしか得られない体験を与える必要があります。

「店舗に行く価値がある!」そう感じていただくサービスが必要なのです。

そうでないとわざわざ時間を使っていく必要がお客様にはないからです。

 

また、オンラインによる集客も必須です。もはやオンラインで自社・店舗をアピールしないことには利用してもらえません。

リユース業界は実店舗のお客様をオンラインに、オンラインのお客様を実店舗にと、循環させる仕組みを作らないことには今後の成長は難しいのではないかと思います。

 

まとめ

新型コロナの影響により、これまで当たり前だったことが出来なくなることが増えました。

こうした制限が変化を強く後押ししています。

リユース市場は、バブル崩壊で生まれ、リーマンや東日本大震災など経済的なショックをバネに拡大してきました。

新型コロナ後も企業の進化により市場拡大につながるでしょう。

 

しかし、変化に対応できない企業・店舗はその恩恵は受けられず・淘汰される未来が濃厚です。

 

生き残りをかけてリユース業界では熾烈な戦いが日々繰り広げられています。

私も変化に適応するためにも、次々と新しいことに挑戦していきます。