エスミンの鑑定辞典

半人前鑑定士の勉強メモ

カルティエについて④

今回はカルティエの真贋について、いくつか不正品を例に、鑑定する上でポイントを書いていきたいと思います。

 

 

f:id:esumin:20200410073620j:plain

不正品 ラブブレス

今回は、カルティエのラブブレスについて説明します。
ラブブレスは、カルティエの中では大人気のジュエリーで
大人気であるがゆえ、不正品も多く出回っています。
画像は、ラブブレス本体は真正品ですが、
ブレスに付いているダイヤはアフターダイヤで
やっかいなパターンのタイプです。

 

※アフターダイヤとは簡単に言うと

ダイヤ無しモデルを購入後、専門業者に依頼して”後付”でダイヤをセッティングした物のことを指します。

 

f:id:esumin:20200410073802j:plain

ブランド刻印

 1 内側にある刻印を見る 


ジュエリーで1番最初にみるべき箇所は、内側の刻印です。
これは、どのブランドも共通して言えることです。
内側の刻印には、ブランドロゴやサイズ、貴金属の素材の
ホールマーク、石のサイズの刻印などがあります。
これらの字体(彫り方)を見ます。(画像を参照下さい)。
見にくい画像ですが、「Cartier」の刻印がしっかりとあります。
レーザーや刻印の深さが浅いものは、不正品の可能性があります。

 

 

 

f:id:esumin:20200410074009j:plain

f:id:esumin:20200410074210j:plain

 

2 ダイヤのセッティングを見る 


「1」の見方で、刻印が雑であれば不正品となり簡単ですが、
ダイヤが付いていると時計と同様にアフターセッティングの
可能性もあります。(画像を参照下さい)。

ダイヤのセッティングをまず見る前に、指でダイヤが飛び出ているか
を確認します。なぜなら、ダイヤが飛び出ていると引っかかったり、
ぶつけたりして、ダイヤが欠けてしまいます。ダイヤは上からの
衝撃には強いのですが、横から入る衝撃には弱い性質もあり、
欠けたり、割れたりします。そのため、指で触るのですが、
やはり不正品も微妙にうまくセッティングできている箇所も
あるので、その場合はルーペを使い確認します。
特に画像のように、横からダイヤを見ますと、
ダイヤが飛び出ています。これが分かれば不正品の可能性が
高くなります。さらにルーペを使い、画像を上から見て
ダイヤの質(4C)のチェックをします。
特にクラリティとカットを見ます。カラーは土台が金色のため、
見難いので、余裕があればチェックします。
よく見ると、画像が少し荒いのですがそれでも内包物が
確認できそうで、カットも良くなくダイヤがあまりキレイに
見えない印象があります。ラブブレスやラブリングでは
ダイヤが数個ありますから、1つ1つ見てキレイに見えない
ダイヤがあれば、怪しい印象となります。
1つだけでなく、すべて見て統一感がなければ不正品になります。

 

3 保証書は最後に確認する 


保証書はブティック印があるものが、対象になります。
しかし、現在は保証書があっても無くても真正品の保証
になることが少なくなりました。保証書の不正品が多く
出回り、ブティック印もしっかりと入っています。
そのため、「刻印」、「ダイヤの付き方」の見方で判断するようにしなければなりません。
ちなみにこのモデルは、ラブブレスのフルダイヤでになり、

アフターダイヤと分かれば、地金の重さになります。
ですので、買取には気をつけなければなりません。

 

次回は時計の真贋について書いていきます。

続きます。