買い取るときの値段ってどうやってつけるの?
買い取るときにプロはどのように値段をつけているのか、
買い取る際に値段を提示される値段を聞いても、何を根拠にその値段なの?と
思ったことありませんか?
プロがこんな風に値段をつけているのというのがわかれば、
より自分の持っているものに価値を感じることができます。
また、そういう理由、理屈ならその値段に納得がいくね、
と思ってもらえるはずです。
例えばシャネルのチェーンウォレットを買い取りさせていただくとします。
そのような場合、見ていく要素は以下の5つです。
1.シャネルのチェーンウォレット自体の価値
まずは、その商品がなんなのか?を確認します。
タイプ・素材・サイズなどです。
シャネルのマトラッセウォレットとチェーンウォレット、一見チェーンがついているかていていないだけで似たようなものと思いますが、
全然違います!
ものにもよりますが、チェーンあるのとないのとでは相場は2倍くらい変わってきます。
チェーンがついているということは、肩から掛けられ、ショルダーバッグのように使うことができます。
この機能がチェーンシウォレットの人気の理由です。
そして、買取相場に置いて重要な要素が「ニーズ:人気」です。
いくら定価が高くても、良い素材を使っていてもニーズのつかないものは値段がつきにくいのです。
そのため、そのもの自体の価値、相場を掴むことはとても大切です。
もちろんこの段階でモノのつくり(ブランドロゴ、金具、刻印、縫製など)また、シャネルの場合だとシールの有無などを確認して真贋の確認を必ず行います。
2.ランク:品物の状態
次に見るのは、モノがどの程度使われているかです。
もちろん、使っていない綺麗な状態の方が値段が高くつきます。
よって、モノの状態の見極めはとても重要です。
ケースバイケースですが、基本的なランクの考え方を下に記載します。
【買い取り価格:定価の~%】
Nランク新品・未使用品~90%
Sランクとても綺麗な中古品~80%
Aランク綺麗な中古品~70%
ABランク ちょっと汚れているけど使える中古品~50%
Bランク一般的な中古品~30%
Cランクジャンク品~20%
※実際の買取価格は、1点1点の状態とその時々の需要により変動するので、目安としてお考えください。ブランドや商材によってパーセンテージは変動します。
状態によっては、定価の90%で買取することが可能です。
注意しなければいけないのが、
新品でも査定金額が低くなってしまう場合があります。
「人気がない」またはその反対で人気が高いが故に「中古市場の供給過多」のアイテムは定価も高く、状態が良くても買取価格があまり高くありません。
・デザインが奇抜すぎる
・使える機会が限られる
・流行とマッチしていない
・供給過多
3.色
財布やバッグにおいて本体色によっても、値段は変わってきます。
一番高いのは、どんな人、シーンでも選ぶことが少ない「黒」
そのあとに「赤」や「金」などのエレガントさやゴージャス感のある色が続きます。
あとは女性に定番のピンクも割と中古市場で人気の色です。
逆に「白」や「ベージュ」などの汚れが目立つ色はあまり高い値段はつきにくいです。
色もデザイン同様、奇抜な色はニーズが高くないので数万円安くなります。
4・シリアルシール・ギャランティカードの有無
これはシャネル製品に必ず付属しているシリアルシールというものです。
基本的に内ポケットの中など少し見えづらい部分に貼られているので
見つからない場合も隅々まで探してみてください☆
普通のシールとは違って特殊な加工をされているため
剥がれづらいシールですが、経年劣化によって剥がれることもあります。
はがれてしまったものは値段が下がることはもちろん、お店によっては買取不可というところもありますのでご注意ください。
内装を修理などで張り替えた場合もシールは張り替えてもらえないので
紛失していることも多々あります!
そのためシールの有無だけでは偽物か本物か判断はできません。
またシールの偽装などの防止策として、
無理に剥がした場合はシールの跡が残るような加工も施されています。
ギャランティカードとシリアルシールは必ずペアとなって付属しているものなので
シールに刻印されているシリアルナンバーはカードの数字と合致します!
モノによりますが、ギャランティカードの有無でで5000~10000円くらい変わります。
やはり、ブランドの保証があるのとないのとでは大きいです。
シャネルに限らず、ブランド品のギャランティカードの付属品は大切に保管することをおすすめします。
5.金具の色
シャネルにはゴールド金具とシルバー金具があります。
そこまで値段に差はありませんが、若干シルバー金具の方が高い傾向にあります。
ゴールドの金具より、シルバー金具の方が日本人の感性と合っているからと考えられております。
反対にゴールド金具は海外に人気があります。
このように、一つのモノをあらゆる角度から見て、相場と照らし合わせて買取の値段を算出しています。
他にもポイントがあるのですが、細かいところを上げればきりがありません(笑)
熟練の鑑定士になると相場、ランクによる値段の変動が頭にインプットされており、
更に一瞬で見極める観察眼を用いて、大体の値段は見た瞬間で出します。
その能力でオークションなど、一瞬の勝負の場で値段をはじき出し、競りに打ち勝つことで仕入れをしているのです。
若干、話しがそれてしまいましたが、
では写真のシャネルのチェーンウォレットの場合、写真なので概算ですが
値段を出してみたいと思います。
見たところシャネルのラムスキンのチェーンウォレットです。
またデザインが古いものです。
状態は綺麗に見えますので、Aランクくらいでしょうか?
付属品はシリアルシール、ギャランティカードがあるとします。
色は定番の黒です。
金具はシルバー金具です。
上記を踏まえるとAランクで¥100000~¥120000という値段がつきます。
これがSランクになりますと¥130000~150000くらい、
ABランクになる¥80000~¥100000くらいでしょうか。
このように鑑定士は勘と経験といった感覚ではなく、しっかりしたロジックで値段をつけているのです。
今回はシャネルのチェーンショルダーを例にしましたが、基本的にはどんな商材にもこの考え方を用います。
まさに査定の基本的考え方と言えるでしょう。
いかがだったでしょうか?
これはほんの一例ですが、値段がつけられるプロセスが少しでもお分かりいただけたら嬉しいです。